離島の介護を担う福祉拠点 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
高齢者生活福祉センター・とらず園(伊平屋村) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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今帰仁村の運天港からフェリーで1時間20分、沖縄本島の北西約40kmに浮かぶ伊平屋島は、人口約1600人の沖縄最北端の有人島である。 この伊平屋島では、離島の高齢者福祉を支える拠点として「高齢者生活福祉センター・とらず園」が設置されており、介護サービスや地域交流事業が実施されている。 ここでは、主に離島の介護を支える生活支援ハウス(高齢者生活福祉センター)の機能を中心に、その活用について紹介する。 離島の介護を支える複合施設
「とらず園」には居室部分として20人分が設置されており、内装や外観は小規模の特別養護老人ホームといったところである。このセンターの運営は村からの受託で社会福祉協議会が行っている。 とらず園には居室部分に加え、社協が設置主体の介護保険事業所(通所介護・訪問介護・居宅介護支援)が併設されており、入居者は介護保険の適用を受けて介護サービスを利用することができる。 併設の通所介護事業は、25人の定員で、とらず園の入居者や地域の高齢者のべ30人が利用している。朝9時から手工芸や創作活動、ゲームなどを楽しみ、昼食後、アクティブなゲームなどを行い午後4 時に帰宅する。 とらず園の特徴は、介護保険事業の通所介護事業と「生きがい対応型ミニデイサービス」を合同で実施している点にある。毎週火曜日~木曜日までの3日間は、伊平屋村内の各地域のミニデイサービスを同じ空間・同じ時間に行い、利用者や住民の健康維持と交流を図っている。 とらず園への入居は特養ホームなどへの「入所」と異なり、サービス区分は在宅扱いとなる。よって、利用者は居住にかかる料金として月4万5千円を負担のほか、別途、介護保険適用の1割負担として平均3万円程度の利用料を支払っている。 離島においては採算性や効率面の観点から民間事業者が参入しにくい状況にある中で、とらず園のような「多機能性」を有する社会資源は村民の福祉向上に大きな役割を果たしている。 住民念願の福祉拠点として誕生
とらず園は介護保険適用前から措置による各種福祉サービスを提供してきたが、平成12年に介護保険制度がスタートすると、入居する利用者や地域に暮らす要介護高齢者を対象に通所介護や訪問介護などの各種介護保険サービスを複合的に行うようになった。 また、伊平屋村社協は平成13年度から17年度までの5年間、沖縄県単独の補助事業である「ゆいまーるのまちづくり事業」の指定を受け、伊平屋村内の地域福祉活動の活性化に取り組んだ。この事業においても高齢者生活福祉センターがもつ多機能性が大いに活用された。 日常的に地域と交流 前泊港から歩いて5分、小高い丘の上にあるとらず園では、福祉サービスを利用する利用者と地域住民との交流の機会も多く取り入れている。秋になると婦人会や学校の児童生徒の訪問活動や、園主催の敬老会などが行われる。また、生きがい対応型デイサービスとの合同実施によって、日常的に地域の高齢者との交流を行い、地域とのつながりを断ち切らない関係性を築いている。 とらず園の運営を村社協が受託することで、地域福祉活動の円滑な実施と、施設のさらなる有効活用が実現し、島の福祉拠点として機能している。 自然とリハビリやリフレッシュ効果につながっている。 脳出血のため左半身に麻痺が残ったため、とらず園でショートステイや通所介護をよく利用するという前田芳正さん(53歳)は、「ここで過ごす時間は最高です。レクや将棋をして楽しんでいます。」と語る。日ごろは家に閉じこもりがちというが、デイサービスを利用することで、体を動かすだけでなく、いろいろな人と接することで、自然とリハビリやリフレッシュ効果につながっている。 利用者の能力に応じたプログラム開発・地域への展開が課題
しかしその反面、双方の参加者には身体能力に違いがあり、それを考慮したメニューを考えなければならないため、苦労も多いという。とらず園では今後、文化教養的な要素を取り入れたプログラムの開発や男性利用者の開拓などに力を入れていく考えだ。 離島の実情に合わせた「小規模かつ多機能」 設置促進を 伊平屋村社協では今後も、高齢者生活福祉センターの特性を生かした事業展開を目指していく考えだ。人口規模や利用者が少ない中でも、多様なサービスを効率よく提供していくためには、とらず園のような「小規模かつ多機能」な福祉施設が求められている。高齢者生活福祉センター(生活支援ハウス)はまさにこうした施設であり、離島の実情に合わせた設置の促進が求められる。 |
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