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福祉情報おきなわVol.119(2008.5.1)
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ほっとニュース TOPICS vol.118
平成19年度局内プロジェクト報告
県内宅老所を分かりやすく紹介

『おきなわ宅老所ガイドブック2008』発行

県社協局内プロジェクトの始動

 平成19年度より、部所の枠を越え、横断的な取組みが必要な福祉課題やまだ手付かずの課題等に対し、職員による提案型事業として、局内プロジェクトがスタートした。
 平成19年度は、介護保険制度の無い宅老所の利用者及びその家族が、その選択に際し基準となり得る認定制度について研究すると共に、宅老所従事者の資質向上を図るための仕組みについて調査研究を行う事を目的とした「沖縄県宅老所認定制度研究事業」が採用され、その活動が進められた。

最も議論を重ねた
 ”宅老所とはそもそも、何?”


 プロジェクトを進めるにあたって、メンバーで議論を重ねたのが、「宅老所とは?」というところだったと言う。制度に無い宅老所だけに独自サービスのスタイルは様々だ。
 プロジェクトで対象とする宅老所とは、どのようなサービスを行っている事業所とするのか。また、宅老所の持つ機能として挙げられている「地域密着性」や「柔軟性」とは、具体的にはどのようなことを指しているのかなど。宅老所の認定制度について考える以前に、メンバー同士が宅老所についての共通理解を図ることに、スタート当初は時間をかけて議論を重ねてきたという。

いくつかの調査で見えてきたニーズ

 宅老所の「曖昧さ」は、プロジェクトで行った調査の中においても、如実に浮かび上がってきたという。
 県内の宅老所を把握する上で行ったケアマネージャーへの調査結果において、在宅での生活が難しい高齢者の受け皿として紹介したことのある宅老所の中には、有料老人ホームや高専賃(高齢者専用賃貸住宅)としての事業所も数多く含まれた。また、一方でケアマネージャー自身、宅老所がどのようなサービスを提供しているのか、何処にあるのかという情報を正確に把握できず、サービス利用計画の作成で困っている実情が伺えた。
 更には、宅老所への基本調査では、事業所自身の宅老所に対する認識もバラバラであった。
このように、利用者やケアマネージャー、そして事業所が宅老所という存在を必要としていながらも、その認識がバラバラであることや、病院や介護保険施設等の利用ができない高齢者の受け皿として、宅老所の「泊まり」機能だけが重視される傾向にあることが分かった。
 そこで、プロジェクトでは当初の認定制度についての研究から、まずは県内の宅老所の現状を整理し、広く情報提供することを優先し、宅老所の基本情報を集めたガイドブックの作成へと作業を進めることとした。

成果としてのガイドブック発行
 県内の宅老所約70か所のデータ
 このガイドブックは、利用者やその家族にとってだけでなく、ケアマネージャーや医療ソーシャルワーカ等の専門職にとっても、宅老所を選択する上で有効な情報となることを目的に作成されている。
 宅老所の住所や連絡先、定員などの基本的なデータはもとより、提供している介護サービスの内容は、介護保険制度以外の独自サービス内容及び料金について記載している。また、利用の要件として、介護度や認知症・医療の度合についての受入れ条件も事前に把握できるとあって、サービスの利用を検討する上で便利な内容となっている。
 今回、数々の調査で明らかになった事業所のうち、掲載を希望した約70か所の宅老所を掲載している。
 また、今年度研究出来なかった宅老所の評価制度については、20年度の局内プロジェクトとして、「宅老所の自己評価の研究」を行い、利用者のサービス選択に資するために、取り組みを続けていくこととなった

久米島町社協 「儀間保育園」が開園

社協による保育園運営は県内初

 4月1日、久米島町儀間に「儀間保育園」(中原そめ子園長)が開園し、町民、関係者合わせて約200名の出席のもと、開園式が行われた。
 同保育園は町立保育所を久米島町社会福祉協議会(平良曽清会長)へ移管したもので、社協による保育園運営は県内初の試みとなる。
 全国的にも公立から民間への保育園移管は広がっている。久米島町も例外ではなく、「町民の保育ニーズへ柔軟かつ機敏に対応するためには、民間活力との連携が必要」との理由から、町社協へ移管を要請した。

▲開演式の様子

  運営主体が社協になったことでメリットも多い。
 まず、公立保育所職員の町社協への派遣や職員の安定雇用を行うことで、保育の継続性を確保することができる。これは同時に人材の有効活用、職員の意識向上の利点もあわせもっている。
 また、社協は町民の代表者によって組織される団体であるため、町民の意見を保育事業に反映しやすくなる効果もある。
 さらに、社協が実施する高齢者・障害者を対象とした幅広い福祉活動との連携により、福祉増進に向けた相乗効果も期待できる。
 この他にも、雇用対策や少子化対策にもつながると期待を寄せている。
 これからの保育園運営について中原園長は、「家庭と保育園が信頼関係を密にし、一緒になって子育ての喜びを味わえるよう、そして、地域の特色も生かしながら地域から愛される保育園を目指したい。」と抱負を述べた。

2007年度シニアライフセミナーを開催

~第二の人生をより充実したものにするためには~

3月12日に、那覇市内のホテルで沖縄県商工会連合会との共催によるシニアライフセミナーを開催した。
 このセミナーは、人生80年時代を迎え、長くなった第二の人生をより充実したものに
するため、定年後も含めたライフプランの確立に必要な知識を習得させることを目的とし、主に現役のサラリーマンを対象に毎年行っている。
 今回は、フォークシンガーで白鴎大学教授の山本コウタロー氏を講師に迎え、「健康で楽しく、第二の人生を生きるためには」と題し、健康を保つ食や運動の在り方を提案していただいた。
 山本氏は「誰にも結果は問われない。好きなものや小さい頃にやりたかったことにチャレンジして、第二の人生を楽しく生きてほしい」とユーモアをまじえながら語り、また、「自分自身の健康のためにも、これまで妻に任せていた家事を定年後は自分でやってみてはどうか。」と会場にいる男性陣に呼び掛けた。
 講演後は、ギターを手にミニライブも行われ、懐かしのフォークソングを次々と披露し会場中のシニア世代と一体となって盛り上がった。
今回のシニアライフセミナーは当初の予定の300名を上回り約480名もの参加がありシニア世代の関心の高さがうかがれた。
 この講演の内容を、今後の定年後を含めたライフプランの確立に役立ててほしい。