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第52回沖縄県社会福祉大会
  1,300名余の福祉関係者が参加
   
 〜みんなで創ろう、安心して暮らせる福祉社会〜

今年度、最後の定期講座です。お申込みはお早めに!

一般県民対象:はじめようシリーズ2

 @1/ 7(木)「福祉用具編」 (ベッド・排泄編)
 A1/14(木)「入浴編」
 B1/21(木)「着脱編」
 C1/28(木)「食事編」
 D2/ 4(木)「住宅改修編」

 ・定員 16名(申し込み順)
 ・時間 13時30分〜16時30分
 ・会場 沖縄県総合福祉センター
 ・料金 200円/1講座(全5回)
 ・受付 12月7日(月)より
     (電話・Faxにて)

ご覧ください

 当センターのホームページをリニューアルしました。
 講座・研修の予定や内容、セミナー・イベント等について最新の情報を見ることができます。
 また、当センターの事業概要、地図、交通案内等も掲載していますので、是非一度ご覧ください。
 ホームページをご覧いただくには沖縄県社会福祉協議会のホームページを経由するか、
下記のURLへ直接アクセスしてください。

 http://www.okishakyo.or.jp/html/kaigozisyu/


  今年で12回目を数える「平成21年度 介護支援員実務研修受講試験」の合格発表が、去る12月10日全国一斉に行われました。
 本県では受験者総数1,681名中227名の合格者で合格率は13.5%の結果となりました。

最後の医介輔 宮里善昌氏  第39回毎日社会福祉顕彰受賞       

▲自宅庭先からは浜比嘉島周辺の海が眺望できる(左より宮里善昌氏、長女の富山光枝さん)

 昭和27年に平敷屋介輔診療所を開設してから56年間、地域の患者や住民らに「イミガー(屋号:栄新川)のオトー」と呼ばれて親しまれ、診察を通して、人々の暮らしに寄り添い続けた医介輔の宮里善昌氏が、今年度の毎日社会福祉顕彰を受賞した。

 へき地にある診療所で宮里氏は、早朝から子どもや高齢者など、多い日には200名の患者の診察を行い、夜も遅くまで往診に回った。内科、外科、産婦人科など全科を診てきたことが、苦労した点でもあった反面、いい勉強になったと宮里氏は言う。

 宮里氏がこの仕事に必要としてきた「優しさ」とは、相手の立場に立って、その人を受け入れることであり、医療面のみの関わりではなく、生活全てを受け止めていく姿勢だと言える。事実、診療代に困っている人からはお金を受け取らず、貧しさに苦しんでいる人には、必要な食べ物や物資を分け与え、本島の大きな病院での検査が必要な患者には、交通費まで渡すなど、収入を度外視してきた宮里氏を妻のキヨさんが養鶏などで支え続けていた。

 第52回沖縄県社会福祉大会(主催/県、県社協、県共募)が平成21年10月29日(木)、沖縄コンベンションセンター劇場棟において開催された。

ふれあいタオル寄贈事業から介護を身近に考える

医介輔とは
 沖縄・奄美だけに認められた特別医療制度。戦争による医師不足を補うため、1951年、米国民政府は医師助手などを対象に試験を実施し、県内では宮里氏を含む96人が合格。復帰時においても、慢性的な医師不足は解消されておらず、「限定した地域における一代限りの診療」であることを条件に医介輔制度の存続が認められた。うるま市平敷屋にて診療を続けていた宮里氏が平成20106日、高齢を理由に廃業した事により、同制度は終焉を迎えた。

▲参加者は身体を動かしながら学んだ

 「介護予防」とは、介護が必要な状態になることをできる限り防ぐ(遅らせる)こと、そして要介護状態であっても、状態がそれ以上に悪化しないようにする、維持・改善と定義されています。
 県内でも様々な介護保険事業所で取り組まれ、手芸や筋力トレーニングといった頭や体を鍛える教室が実施されています。
 しかし、きちんとプログラム化されている介護予防メニューでも、実際の利用者がそこに楽しみがなければなかなか続かないことも。
 沖縄県社会福祉協議会では、今回一つの提案として日常のなかで実施されるレク活動メニューに介護予防の理論を取り入れ実践している(財)日本レクリエーション協会(東京都)との連携により、2日間にわたり、県内2ヵ所で「介護予防レクリエーション」プログラムを体験する研修(11月17日・18日)を実施しました。
 

いい日いい日  11月11日は介護の日  

 沖縄県介護支援専門員実務研修受講試験           
 12月10日 合格発表

 沖縄県社会福祉協議会では、去る12月1日(火)に県内の在宅介護支援センターや地域包括支援センター等の職員を対象に「支援力アップ実践セミナー」を開催しました。参加者は70名。講師に足立区社会福祉協議会(東京都)地域福祉推進課長の和田忍氏を招き、今も現場の最前線で高齢者の在宅生活を支えている現場の事例も交えながらセミナーを行いました
 セミナーのテーマは「自立」と「支援」。和田氏は講義のなかで、自立支援とは、その「ひと」の生活をより潤いあるものとすることを目指し、人生の主役であるその「ひと」が必要とするとき、そっと寄り添う「使いやすい心有る杖」ではないだろうか」と参加者へ問いかけました。
 そして、相談・面接業務に携わる専門職員の基本的心得として、「聴く」ことを中心に行う面接を意識化することを提案。「聴くとは話さないこと」ではありません。受止めるコミュニケーションの方法です。」と講義の中でアドバイスされました。

 知事在任中は、今のように経済的に厳しい社会情勢で、本県では、ハコモノ事業は凍結とされていたが、唯一、福祉活動の拠点としての県総合福祉センターを造ったことが思い出深く残っている。
 沖縄の社会はどうあるべきか。福祉の問題と基地の問題は、元を辿ると根っこは一緒。それぞれ難しい時期に来ている。重要なことを議論しないで先送りにしてきたからである。
 物事には全て良い面と悪い面がある。それは光と影のようなものである。両者の立場から意見をぶつけ合い、本気で議論することによって、ベストではなくても、よりベターな方を選択していくこと。
 これからの福祉は、公的なものだけでは成り立たない。ボランティア活動の基礎づくり、仕組みづくりを行うとともに、教育の中でも福祉の重要性を認識し、人間の命の大切さや心の大切さをしっかりと教えていかなくてはならない。

 式典では、多年にわたり県内福祉に功績のあった方々に対する表彰が行われ、県知事表彰・感謝に35名、2夫妻、4団体、大会長表彰・感謝に225名、6夫妻、49団体への表彰が行われた。

 お申込み・お問い合わせ/沖縄県介護実習・普及センター
  ・電 話 098-882-1484  ・Fax 098-882-1486

 11月11日、沖縄県介護福祉士養成校連絡会主催による「介護の日」記念パレードが行われた。那覇市与儀公園で行なわれた出発式をスタートにひめゆり通りからモノレール牧志駅、国際通りを通って、県庁前広場を終着点に「老後は介護福祉士にお任せください」、「あなたの笑顔が見たいから」等と訴え、介護の仕事についてアピールした。

 

 「介護の日」を記念して県社協では『ふれあいタオル』の収集・寄贈事業を実施した。これは、多くの方々に介護を身近なものと捉え、関心を寄せてもらうことを目的に、県内の小・中・高校生の協力のもと、未使用タオルの収集を行い、集められたタオルは各市町村社協を通して、社会福祉施設や在宅介護世帯へ贈るものである。
 10月26日現在、29市町村、61校の学生25,513名の協力によって、数多くの未使用タオルが集まった。

 当日は、介護福祉士を目指す沖縄リハビリテーション福祉学院の学生によるアトラクションが講演会を盛り上げた。

▲勇壮なエイサーの演舞を行う学生の皆さん

●義父がアルツハイマー型認知症と診断され、半年が過ぎ、一緒に生活していく中、本当に色々なことが起こります。今日の講演で共感もあれば、学ぶこともありました。これから先、色々なことが起こり、色々な体験をすると思います。今日の講演を思い出しながら、認知症の義父と向き合っていきたいと思います。(40代、主婦)

●デイサービスで勤めていますが、認知症高齢者への対応にとても大変と感じておりました。昨日もトイレ誘導時、右手をかまれそうになりました。私もおむつ交換に必死になり、本人の気持ちより自分の気持ちを優先して行動していましたが、今日のお話を聞き、明日からの誘導が楽しみになりました。人を支えることは、人に支えられること。とても心に響きました。(20代、介護職)

●自分にも昔、アルツハイマー型認知症の祖母がいたので、その祖母を思い出して、聞いていたら涙が止まりませんでした。今日、聞いたことを、現場実習の時の参考にしようと思います。(10代、学生)

●私は102歳の母を看ています。体験が先生の話の中で同じだと思い、涙が止まりませんでした。母がどんな形でも生きているだけで、どれだけ自分が生きる支えになっているか、言葉になりません。今後、母だけでなく介護の仕事を自分が出来る力でやっていく予定で、勉強中なので今日は第一歩になりました。(60代、主婦)

 高齢者の「輝き力」を引き出す介護予防レクリエーションのすすめ   

記念講演(要旨)
「沖縄の自立と福祉を考える」 稲嶺惠一氏(前沖縄県知事)

▲表彰状の授与(仲里副知事)

 「支える側が支えられるとき〜認知症の母が教えてくれたこと〜」と題して、認知症の母に寄り添いながら命や認知症を題材に作品を作り続ける介護詩人藤川幸之助氏の講演を平成21年11月11日、豊見城中央公民館大ホールにて行なった。(主催/沖縄県社協)
 21年前にアルツハイマー型認知症を患った母親(81歳)の変容していく様子に戸惑い、多くの葛藤や苛立ちを覚えながらも家族として介護にあたるご自身の経験談を包み隠さず、素直な言葉で語られ、多くの参加者が目頭を押さえながら聴き入っていた。

 私たちから見れば奇行に思えるような行動でも、認知症者には独特な物語が頭の中に広がっているので、その行動の後ろにある物語を理解し、読み解くということが大切である。亡くなった父を探していた母の気持ちを理解できずに、徘徊をしている母親に対して「どこにも行くな、ここに座っておけ」と言い、徘徊を止めさせようとしていたご自身の体験談を紹介し、言葉はなくても母の心を読み解こうとすることで、介護する側の自分が変わっていったという。
 また、認知症はその人からあらゆる記憶を奪い去ってしまうと思われているが、母の介護をしていた亡き父がいつも母と共に歌っていた「旅愁」という歌を父の歌い方を真似て歌うと、言葉を発することのなくなった母が「うぉぉ〜」と声を出して反応する。その姿を見ると、人間は言葉や意味を超えて、何かを伝えることが出来ると信じていると、藤川氏は力強く聴衆へ伝えた。

参加者の感想より

〜社会的自立を育む環境づくりを目指して〜第28回沖縄県児童養護研究協議会開催    

▲稲嶺惠一氏

 また、被表彰者代表あいさつは、ボランティア功労を受賞した前川守賢氏が行い、笑顔の宅配サービスとして長年ボランティア活動を続けてこられた思いを語り、人気のある民謡と三線で会場にも笑顔を配り、大会参加者を盛り上げた。
 今大会で採択された宣言文では、誰もが尊厳を持っていきいきと生活することができるよう、公的な支えとしてのセーフティネットの充実強化と、地域の福祉力の向上に、より一層取り組む決意を新たにし、私たち社会福祉関係者は総力を結集して、本県における福祉文化を積極的に創造しつつ、県民一人ひとりが共に支え合い、安心して暮らせる福祉社会の実現を目指して、全力を傾けることを誓った。
 式典に続いて、「沖縄の自立と福祉を考える」と題して、前沖縄県知事の稲嶺惠一氏による記念講演が行われた。
(被表彰者の芳名及び大会宣言文については、本会ホームページにおいて1月末日まで掲載しています)

 娘の光枝さんは、そんな両親の姿を「当たり前だと思っていたし、父のことを書いた記事を読んで初めて、父が地域の人からどれほど頼りにされ、慕われているかを知ることも多い。自分から家族には、そういうことを話さない父でしたから」と言う。
 年齢と共に耳が遠くなってきた宮里氏が「誤診をしては大変」と、周囲に惜しまれながらも引退してから約1年が過ぎた。「父がそこに居ることで、安心してくれる方も大勢いるので、診療所の跡地を利用して、地域住民の集まる場、父の医介輔の活動を残し伝えていく場として、サロンみたいなものでも造ろうか、と子ども達で話しているんですよ」と、光枝さんは宮里氏にも未だ伝えていなかったプランを語られた。

 新垣雄久大会長は、「景気の低迷等により、生活不安が高まっている国民の暮らしに対しては、緊急雇用対策や低所得世帯への生活支援等、セーフティネットの強化が急がれている。その一方で、障害者自立支援法の廃止が打ち出されるなど、新政権による既存の制度・施策の見直しが進められており、私たちは今後の動向を注視していくとともに、現場の実情に即した福祉施策の確立を求めていく必要がある。」と式辞を述べた。


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福祉情報おきなわVol.129(2010.1.1)
編集発行 沖縄県社会福祉協議会  沖縄県共同募金会
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タオル贈呈式では、学生を代表して、豊見城南高校の知念駿直君が「高齢者の介護に役立てて下さい。」と、豊見城市社協呉屋影正会長へ目録を手渡した。これに対し、呉屋会長は、「学生さんの思いの込められたタオルを有効に活用します。」と応えた。

▲タオル贈呈式

「介護の日」をアピール
介護福祉士養成校学生ら約400人が那覇市内をパレード

 高齢者や障害者に対する介護の重要性や介護職の定着支援などを国民にアピールするため、国は平成20年に11月11日を「介護の日」と制定しました。

「介護の日」記念 認知症高齢者ケア特別講演会 
  藤川氏の講演に900名余の聴衆

毎日社会福祉顕彰とは
 1971年、毎日新聞社会事業団の60周年を記念して設定し、毎年実施。全国の社会福祉関係者および団体の中から、とくに優れた功績をあげ、社会福祉の発展向上に貢献している個人あるいは団体を顕彰し、新しい福祉国家の形成と発展に寄与するねらいで実施。

 去る11月25日、第28回沖縄県児童養護研究協議会(主催・県社会福祉協議会、県児童養護協議会)が県総合福祉センターにおいて、県内の児童養護施設をはじめ、関係機関・団体の職員250名余が集い、開催された。
 本研究協議会は、虐待やいじめ等、児童に関する社会的問題が年々複雑化している中で、日常生活におけるかかわりや支援を通して、今後の社会的自立に向けた支援方策について、研究協議等を行う目的として開催。
 全体会(午前)では、県青少年・児童家庭課の吉川浩由副参事から「要保護児童施策等について」と題し、県内の児童虐待の現状等について説明がなされた。引き続き、県立総合精神保健福祉センターの仲本晴男所長から「こころの病を抱える児童と親の理解及び支援について」と題し、うつ病や発達障害等、精神疾患に関する正しい理解と対応等について講演が行われた。
 午後からは、4つの研究部会に別れ、各施設が直面する諸課題(事例)について、活発な意見交換・討議等が展開された。

▲講師の和田忍氏

 参加者は作業療法士や介護福祉士、介護支援専門員といった専門職が中心の約170名(2日間計)。
 講師は同協会所属の小久保信幸氏(福祉レク・研究開発チームチーフ)、小山亮二氏(同ディレクター)の二人。講師の2名は、大学院等で学んだ専門理論を活かし全国各地で講座を展開しています。
 研修参加者からは、運動ではなくレク活動であれば利用者が抵抗なく参加しやすくなる、といった声も聴かれました。今回の講座は高齢者福祉施設や事業所から個別に講師依頼を受けることも可能。

お問い合わせ:
 沖縄県レクリエーション協会 
 住所:沖縄市比屋根672(県総合運動公園内) 電話:098-932-9870(担当:知念)

 世界的にも日本においても、環境と福祉が重要課題としてクローズアップされており、従来の制度のあり方だけではいけないということ、福祉を見直す時期にあることは多くの人が政治の場でも自覚している。いきなり転換はできないが、これから必ず一歩一歩よい方向に進むものと確信している。
                                               
                                        (文責:県社協企画広報部) 

▲新垣会長による式辞

感謝

 受講者の皆様お疲れ様でした。おかげさまで下記の講座を無事に終了することができました。受講者の皆様のご協力と頑張りに感謝します。

<SKILL UP>
 10月23日〜12月11日の間に8講座を開催し、延べ57名の方が受講されました。その中の8名の方は全講座を受講され修了書が授与されました。

「聴く」チカラを伸ばす〜高齢者の自立生活を支援するセミナー開催     

▲前川守賢氏